お金の価値がなくなる?新時代の価値のカタチ。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方

佐藤航陽 著

お金が欲しい!お金持ちになりたい!と思う方は多いかもしれませんが、そんなお金の価値が今、転換期を迎えています。

物々交換から始まり、貝などの自然貨幣、米や布などの商品貨幣、金銀銅などの金属貨幣、そして今のお金である不換紙幣へ変わって来ました。

そんなお金の本来の意味、そしてこれからのお金の価値について、本書から学ぶことが出来ます。

すでにお金の価値は新しい時代に向けて、急速に変化をしはじめています。
これは自分も大きな転換期だと思っています。
時代の変化に飲み込まれない為にも、ぜひ本書を読むことをオススメします。

それでは気になったポイントを5つ紹介します。


そもそもお金って何?

お金ができた理由は「価値」という漠然としたものをうまくやりとりするためであり、お金には価値の保存・尺度・交換の役割があると言われています

最初は、「お金」は価値を運ぶ〝ツール〟でした

ついついお金を稼ぐ為に頑張る!頑張ってお金持ちになる!
という「お金」をゴールや目的として考えてしまいがちですが、
実はお金とは価値を運ぶためのツールだったんですね。

冷静に考えると、お金のために頑張るって矛盾した行為ですよね。笑
頑張って得たお金で何をするかが重要なのであって、
それがお金の為に頑張ってしまっては、よく分からなくなってしまいますよね。

世の中のお金が余っている!?

資産経済はどんどん拡大を続けていて、世界中で金融マネーは投資先を探してさまよっています。
もう利回りの良い金融商品などなくなってきているため、お金はあるけれど使う対象がないといった状況にあるわけです(あくまで資産経済の話)。日本では企業の内部留保金も過去最高の406兆円となっています

資金調達が容易な環境にあるため、相対的にお金の価値そのものが下がり続けています

今では、クラウドファンディングやVALU、この著者の方がサービスを展開しているタイムバンクなど、個人での資金調達が簡単に出来てしまう世の中になっています。
また大掛かりに資金を調達をしなくても、展開したいサービスによっては、無料でスタートアップ出来てしまうのも最近の流れで、例えば自分であれば、Tシャツのブランドを作るのに、で無料でBASEで販売サイトを作成し、あとはそこに商品をUPするだけなので、初期コスト0円でお店をOPENできてしまうのです。
というように「お金」そのものの必要性が下がってきてるというのが、お金が余り、お金の価値が下がってる理由だと自分は考えます。

価値の保存や交換がお金だけじゃなくなっている。

今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということです。価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっています

価値を最大化しておけば、色々な方法で好きなタイミングで他の価値と交換できるようになっていきます。「価値」とは商品のようなものであり、「お金」とは商品の販売チャンネルの1つみたいなものです

例えば、貯金ゼロ円だけど多くの人に注目されていてツイッターのフォロワーが100万人以上いる人が、何か事業をやりたいと考えたとします。すぐにタイムライン上で仲間を募り、クラウドファンディングを通して資金を募り、わからないことがあればフォロワーに知恵を借りられます

ネットの普及で自分の価値をどんな方法で保存しておくか選べるようになってきています

商品や技術や知識など、今までお金でしか交換出来なかったものが、ネットの普及により、その形が変わりつつあります。
お金の価値がどんどんと下がってくるこの時代、お金に変わる価値の交換方法がどんどん出来ています。

資本主義の時代から、価値主義の時代へ

人気のあるYouTuberほど、お金を失うことは怖くないが、ファンやチャンネル登録者を失うのは怖いと言います。これはYouTuberが、自分の価値は動画を見てくれるファンの人たちからの「興味」・「関心」であり、お金はその価値の一部を変換したものに過ぎないということをよく理解しているからだと思います。彼らにはファンやユーザーからの興味・関心という精神的な価値を最大化することが最も重要になります

価値主義で扱う価値とは、①有用性としての価値だけではなく、②人間の内面的な価値や、③全体の持続性を高めるような社会的な価値も、すべて価値として取り扱う仕組みです。そして①と比べて②や③は物質がなく曖昧であるがためにテクノロジーの活用が不可欠です

お金よりも力があるものが、その人の影響力だったり発信力など、その人自身の価値になりつつあります。これまで社会の評価基準が、学歴、職業、財力だったのが、多様な価値観を軸に評価されるようになると自分は思います。

機械やAIで代用できてしまうよな、汎用性のある技術や仕事はどんどん奪われて行くでしょう。
必要なのは専門性、そして問題解決よりも、課題発見の能力が重要になってくると思います。
なぜなら、コンピューターは問題は解決できても、課題を発見したり、考えたりすることが出来ないからです。

価値は色々な物に交換ができる

いわゆる資本主義経済でお金からお金を増やした金融業と同じで、評価から評価を拡散力をテコに生み出していくということが可能になります。
そして、この活動から蓄積された影響力や認知や評価といった価値は、まるでお金のように色々なものと交換することも可能です。
影響力を広告という方法でお金と交換したり、評価によって貴重な人のアポイントの機会という時間と交換したり、実際の通貨のように機能します

個人の価値や影響力は非常に重要になってきます。また個人の価値でさらなる価値を生み出せる時代に、お金の価値はどんどんと下がっていきます。お金は貯めていても、日本はマイナス金利で減って来ますし、さらには預金しておくだけで手数料としてお金を取られる可能性も最近出て来ました。
銀行は個人の資産を運用していくだけでは、もはや利益を生み出せない状況になっているのかもしれません。


以上が今回読んで気になった5つのポイントになります。

自分は間違いなく世の中の「お金」や「価値」の転換期が来てると思います。
そんな転換期の波に乗るためにも、本書を読むことをオススメします。

またこれはあくまで自分から見た本書の視点なので
興味のある方は、実際に読んでみて、自分なりの答えや考えを導き出しましょう。

そして最後に、

本に書かれててることが、全て事実ではありません。
これはあくまで一つの意見であり、絶対的な意見でもなければ、答えでもありません。
重要なのはここから、自分は何を感じるのか?自分であればどう考え、どう行動するのか?
ここが重要だと思います。

本やそれ以外のことで知識を得る時に危険なのは、
その情報や知識を鵜呑みにすること
思考が停止し、考える力がなくなることです。

本を読む時はそういったことを意識しながら読みましょう。

目次

第一章 お金の正体
第二章 テクノロジーが帰るお金のカタチ
第三章 価値主義とは何か?
第四章 「お金」から開放される生き方
第五章 加速する人類の進化