道徳に基づいた経営術。正しき道が正しき経営を生み出す。

今回読んだ本はこちらの本になります。

現代語訳 論語と算盤 渋沢栄一 著

渋沢栄一氏は日本実業界の父と呼ばれ、明治期に資本主義の本質を見抜き、約470社の会社を設立し成功させたそうです。

そんな渋沢氏が経営哲学として使っていたのが「論語」でした。

論語とは、中国の春秋時代末期に活躍した孔子と、その弟子たちの言行録であり、
その卓越した内容から後世、中国や日本、韓国、ベトナムなどの各国に大きな影響を及ぼしていったいきました。

いずれの国においても、 「人はどう生きるべきか」 「どのように振舞うのが人として格好よいのか」
を学ぼうとするとき、その基本的教科書になっていたのがこの古典でした。

これを企業経営に当てはめ実践をし、成功を収めたのが渋沢氏です。

経営、労働、人材育成を学ぶには本書をオススメします。

それでは早速、本書を読んで気になったポイントを一部だけ紹介していきます。


得意になっていても、些細なことから、大きな失敗が生まれる。

名声とは、常に困難でいきづまった日々の苦闘のなかから生まれてくる。失敗とは、得意になっている時期にその原因が生まれる

 

成功し上手くいっている時は、ついつい調子に乗ってしまい、些細な問題を見逃してしまいがちなってしまう。しかしその些細な問題が、時に大きな問題へと発展し、命取りになってしまう。
一事が万事という言葉もあるように、大きい問題も小さい問題も、同じ気持ちを持って取り組むのが大切なのである。

自分の利益からではなく、まずは人に利益を与える

高い道徳を持った人間は、自分が立ちたいと思ったら、まず他人を立たせてやり、自分が手に入れたいと思ったら、まず人に得させてやる

いかに自分が苦労して築いた富だといったところで、その富が自分一人のものだと思うのは、大きな間違いなのだ。要するに、人はただ一人では何もできない存在だ。国家社会の助けがあって、初めて自分絵も利益が上げられ、安全に生きていくことができる。

まずは人に与えるところから始める、いきなりGIVEを求めていたら、それは単なる搾取になってしまう。人に利益を与えることで結果としてTakeが貰える。そしてTakeを貰ったあとも、それを自分のおかげだとか、あたり前と思わず、常に感謝の気持ちを持つことで、利益が循環していく。

金銭のマイナス面に囚われず、金銭の本当の価値を利用していく。

利益が欲しいという思いがまさって、下手をすると富を先にして同義を後にするような弊害が生まれてしまう、それを行きすぎると、金銭を万能なものとして考えてしまい、大切な精神の問題を忘れ、モノの奴隷になってしいまいやすいのだ

金銭のマイナス面に囚われず、同義と一緒にする形で金銭の本当の価値を利用していくよう努力して欲しい、と望むのである。

 

 

お金の魔力というのもは凄いもので、気づくと同義を忘れ利益優先してしまう時がある。お金はあくまで自己実現の為の手段であって目的ではない。
ただそういったマイナス面を気にしすぎると、今度はお金という便利なツールが使えなくなってしまうので、しっかりとお金という物の本質理解した上で、バランスを取っていくのはとても大切である。

お金は大切にするものであり、同時に軽蔑べきものである。

お金のは社会の力をあらわす為の大切な道具でもある。お金を大切にするにはもちろん正しいことだが、必要な場合にうまく使っていくのも、それに劣らずよいことなのだ。よく集めて、よく使い、社会を活発にして、経済活動の成長をうながすことを、ここあるひとはぜひとも心がけて欲しい。お金の本質を本当に知っている人なら、よく集める一方で、よく使っていくべきなのだ。よく使うとは、正しく支出することであって、良い事柄に使っていくことを意味する。

お金に対して、無駄に使うのは戒めなければならない。しかし同時に、ケチになることも注意しなければならない。よく集めることを知って、よく使うことを知らないと、最後には守銭奴になってしまう。いまの若い人たちは、金づかいの荒い人間にならないよう努力するのと同時に、守銭奴にならないよう注意すべきなのである

お金は無駄に使う、無駄に貯めるのではなく、お金は正しく活発に使う、これが大切なのである。
つまり大切にするというのは、大切に持っておくのではなく、
大切に頭を使って、必要な場所、必要な時にどんどん使う。というのが正しい表現になるのだろう。
お金はただ持っていても何も生み出してはくれない。使うことでお金の意味が出てくる。

自分の頭で考え行動し、自信を育て、自分を頼りに自由にやっていく

実業界でやっていこうという者は、こうしたもろもろの性質を十分に備えたうえで、もう一つ尊重しなければならない重点が残っている。それは自由――自分を頼りにするということだ。実業の世界では、たとえば軍事における事務のように、いちいち上官の命令を待っているようではとにかくチャンスを逃しやすい。だから、何事も命令を受けてやるのでは、成長がちょっとむずかしいのだ

潑剌としたチャレンジ精神を養い、それを発揮するためには、本当の意味での自立した人とならなくてはならない。人に頼ってばかりだと、自分の実力を著しく錆びつかせ、もっとも大切な「自信」が育たなくなってしまう。この結果、ためらったりウジウジしがちになってしまわないよう自分に厳しくムチ打って、弱気になるのを防がなくてはならない

最終的にはやはり自分の頭で考え、行動をおこし、自分で責任をもつ。そうした中でチャレンジ精神を育み、自分の中で自信を育て、結果的に自由に行動ができるようになる。


以上が自分の気になったポイントになります。

人として道徳を持って生きるというのは、ビジネスでも大切なことで、
どうしてもビジネスと考えると、ビジネス=勝負の世界になってしまい、そんな道徳とか言ってたら負ける!
とか思いがちですが、最終的に結果や利益を出し、長く成果を出し続けるのは、
こういった道徳を大切にしてる人だと思います。

また成功した後も幸福を感じられるのも、道徳を大切にしてる人だと自分は思います。

これは毎回書いてます。

これはあくまで自分から見た本書の視点なので
興味のある方は、実際に読んでみて、自分なりの答えや考えを導き出しましょう。

そして本に書かれててることが、全て事実ではありません。
これはあくまで一つの意見であり、絶対的な意見でもなければ、答えでもありません。
重要なのはここから、自分は何を感じるのか?自分であればどう考え、どう行動するのか?
ここが重要だと思います。

本やそれ以外のことで知識を得る時に危険なのは、
その情報や知識を鵜呑みにすること
思考が停止し、考える力がなくなることです。

本を読む時はそういったことを意識しながら、読むことをオススメします。

目次

 

    • 第1部 名著『論語と算盤』とは
    • 1. 時代を超えて読み継がれる理由
    • 2. 『論語と算盤』が誕生した時代
    • 3. 著者渋沢栄一の思想
    • 第2部 『論語と算盤』を読む ―― 現代語抄訳で読む『論語と算盤』
    • 第1章 処世と信条
    • 第2章 立志と学問
    • 第3章 常識と習慣
    • 第4章 仁義と富貴
    • 第5章 理想と迷信
    • 第6章 人格と修養
    • 第7章 算盤と権利
    • 第8章 実業と士道
    • 第9章 教育と情誼
    • 第10章 成敗と運命
    • 第3部 渋沢栄一に学ぶビジネスマインド
    • 1. 事業と倫理観
    • 2. 起業と精神
      • 3. 利他の精神